フクチ@プログラミングと釣り好き大学生のブログ

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エストニア スタートアップ文化についてと代表的なコミュニティ紹介

こんにちは!
先日、エストニアの日本人会にお邪魔して、お花見をした福地です。

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エストニアでも桜咲いてるんだと感激しまくってました。

今日は現地に来てみてわかったエストニアのスタートアップ事情について書きたいと思います。

・数字で見るエストニアのスタートアップ事情
・代表的なエストニアのスタートアップ ハブ3選
エストニアのスタートアップ文化について考える

の三つに分けて書きます。

数字で見るエストニアのスタートアップ事情

エストニアはスタートアップが盛んといわれてますが実際どうなのって思ってましたが
調べて見ると、エストニアにあるスタートアップは約413社(2017年 時点)で、人口あたりのスタートアップ数はヨーロッパで現在三番目(一位:アイスランド 二位:アイルランド)に高いです。

ただスタートアップの比率が高いわけではなく代表的なSkypeを初めTransferwise や Pipedrive、Taxifyなど国外市場でも活躍しているスタートアップがあったりします(これらについてはまた別記事で)。これらエストニアのスタートアップを支えているエコシステムがあります。そのエコシステムを構成する要素としてスタートアップコミュニティの結束の強さがあります。

代表的なエストニアのスタートアップハブ3選

今回はそのスタートアップハブを担っている代表的なコミュニティ3選を紹介します!!

1.Garage48 : http://garage48.org/

Garage48は2010年に、当時エストニア人六人の創業者によって作られたエストニア初めてのStartupHubです。ここではハッカソン(2,3日間でプロダクトを開発してリリースすること)を月二回ほど行なっています。 当時の設立者たちは多くの起業を目指してしている人々が話し合いだったりいかにアイデアを洗練させるかで無駄に時間を多く取られていることに気づき、「プロダクトを作ることがスタートアップへの一番の近道」だと考えハッカソンを運営する組織を作り、エストニアのスタートアップを支援しようと始まりました。

ちなみに名前の由来として、Garageはシリコンバレーの起業家がプロダクトをつくっていた場所がガレージだったこと、ハッカソン週末の金曜5pmに集まり日曜の5pmまでにプロダクトを完成させます。その48時間の期間から取られています!ここにはSkypeの創業エンジニアの一人やエストニアの根幹である電子政府をつくったチーフの人なども関わっています。


2.Lift99 : https://www.lift99.co/

実はGarage48は物理的には今はなく(今でもGarageの名前でイベントは開催されていますが)2016年にその拠点を閉じました。ですが、Garage48の意志を受け継いでよりstartup支援とコネクションに特化したコミュニティ、Lift99と呼ばれるハブが創られました。Garage48の趣旨としてはハッカソンのイベントを通してコネクションがメインだったのですが、ここでは起業家と投資家を繋げたり、起業へのアドバイスなどより力を入れてる印象です。

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実際に行ってみて、一番面白かったのが#EstonianMafia fame of wall と呼ばれる取り組みでした。
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fame of wall の訳は名声の壁という意で EstonianMafiaはエストニアの中でも成功したテック企業、ここに載せられる基準としては

・年間成長率が80-100%以上
・年間収益が300万ドル もしくは 500万ドル以上の出資を受けている
エストニア政府に対して高い税金を収めている

の以上三つになります。ここに載り、EstonianMafiaと呼ばれることを目指しているスタートアップも多いのだと聞きます。ちなみに創設者は#EstonianMafiaにも名を連ねるPipedriveの創業者が創設しています。

3.Spring Hub : https://www.springhub.org/

最後はSpring Hubです。
ここは起業支援もしているのですが、どちらかというとワーキングスペースに特化したハブになっています。15€/1日, 150 ~ 200€/日でシェアオフィスとして利用できます。

驚きなのがSpring Hubのパートナーとしてキャノンが支援していて意外なところで日本企業との繋がりが見えました。
僕が訪問した時はグーグルI/Oを観よう会が行われていてみんなで楽しくlive映像をみてましたー。
公式webサイトに飛べば施設の中が観れるので興味がある方はぜひ!

他にも
エストニアのスタートアップ一覧をできるStartupEstonia や 上記のハブと同じくらい大きなTehnopolなどがいくつものコミュニティがあります。


エストニアのスタートアップ文化について考える

エストニアがスタートアップが盛んな理由として現地で集めた情報と個人的な見解だと

・国自体がそもそもスタートアップ気質
・コミュニティの結束と創発
Skypeという成功体験

の三つがあると思っています。

国自体がそもそもスタートアップ気質というのは IDカード一枚で99%の行政サービスをネット上で受けれるようにしたり、e-residencyと呼ばれる仕組みでネット上のエストニアの国民になれたり、ノマドVISAと呼ばれるノマドワーカー向けの前例がないvisaに挑戦していたりと
今までになかった国の形に挑戦していて国として新しいものに挑むインフラというか精神が根付いているのかなという印象です。投機自体もネット上で15分で完結できたりする政府の支援的姿勢もあると思います。

コミュニティとしての結束としては前述でも述べたようにエストニアというかなり人口(約130万人)の中にも関わらず、多くのコミュニティが存在していてそれぞれの色があり高め合っている印象を受けました。日本でもコミュニティ同士の結束はあると思いますが、日本と違うなと思った事はエストニア自体の市場が狭いので最初から他の国の市場をみているという事です。
あと個人的な見解としては、はじめのGarage48のメンバーに始まり、スタートアップとして成功し企業が新しいコミュニテイを作りその中からまた新しいstartupが生まれさらにコミュニテイを作っていく流れがスタートアップ文化をより成長させている媒体を担っていると思います。ここがかなりの根幹になっていると感じます。

最後にSkypeという成功体験です。これが一番の柱になっていると思います。個人的にも「成功体験」というものはかなり成長を支える材料になると思っていて、成功体験の中の多くの苦難を乗り越えて結果を出したということは次の挑戦時に大きな壁に当たったとしても「あの時もきつかったけどこの壁を乗り越えたら成功を手にできる」という精神的な支えるになると思っています。

話が若干それましたが、エストニアでも同じことが起こっていると感じていて。何も資源がなく経済規模も小さかった自国から世界中にインパクトを与えたサービスが生まれたというのは彼らの大きな支え担っており、だから彼らは第二のスカイプ、それ以上を目指して挑戦し続けることができると思っています。実際にLift99の#EstonianMafia Fame of wall の下にもSkypeの共同創業者のサインがあり、目標企業としての位置が垣間見れました。


エストニアに来てみて、予想よりもIT化が進んでいなかった部分などもありましたがスタートアップの文化はかなりのストーリー背景がありワクワクする部分がありました。

また新たな情報やより精密な情報を手にしたら追記で書いていこうと思います。
ではでは

参照:
エストニアのスタートアップ数について;
https://e-estonia.com/estonia-is-ranked-the-third-in-europe-regarding-the-highest-number-of-startups-per-capita/
About — Startup Estonia

なぜエストニアはスタートアップのパラダイスなのか
https://e-estonia.com/why-is-estonia-a-startup-paradise/